こんにちは、がおです。

今回は、子供撮影において現在愛用しているSony FE 24-70mm F2.8 GM IIを軸に、最新のFE 28-70mm F2 GM、そして単焦点レンズ群も含めてレンズ選択について深く考察してみたいと思います。2024年12月に登場したF2通しのズームレンズという新しい選択肢により、従来のズーム vs 単焦点という構図にも変化が生まれています。

現在のメイン機材:FE 24-70mm F2.8 GM IIの再評価

Sony FE 24-70mm F2.8 GM II レンズ
Sony FE 24-70mm F2.8 GM II – Sony公式サイトより

まず、現在使用しているFE 24-70mm F2.8 GM IIについて改めて整理してみましょう。このレンズの最大の特徴は「ズームにより距離を意識しなくて済む」という点でしたが、新たな選択肢の登場により、この評価軸も見直しが必要です。

FE 24-70mm F2.8 GM IIの仕様

  • 焦点距離:24-70mm
  • 開放F値:F2.8(全域)
  • 重量:695g
  • 最短撮影距離:0.21-0.3m
  • 最大撮影倍率:0.32倍
  • 価格:約230,000円

新たな選択肢:FE 28-70mm F2 GMの登場

Sony FE 28-70mm F2 GM 作例
Sony FE 28-70mm F2 GM – Sony公式サイトより

2024年12月に発売されたFE 28-70mm F2 GMは、αレンズ史上初のF2通しズームレンズとして大きな注目を集めています。この新しい選択肢が、従来の「ズーム vs 単焦点」という選択構図を大きく変える可能性があります。

FE 28-70mm F2 GMの仕様

  • 焦点距離:28-70mm
  • 開放F値:F2(全域)
  • 重量:918g
  • 最短撮影距離:0.38m(全域)
  • 最大撮影倍率:0.23倍
  • 価格:約500,000円

単焦点レンズ群との比較検討

家族の撮影風景
Pexelsより – 家族撮影のイメージ

子供撮影において高く評価される単焦点レンズ群との比較も重要な検討事項です。F2ズームの登場により、従来の単焦点レンズの優位性がどう変化するかを分析します。

主要単焦点レンズ候補

Sony FE 35mm F1.8

  • 重量:280g
  • 開放F値:F1.8
  • 価格:約60,000円
  • 特徴:軽量性、日常撮影に最適な画角

Sony FE 50mm F1.2 GM

  • 重量:778g
  • 開放F値:F1.2
  • 価格:約250,000円
  • 特徴:圧倒的なボケ表現、ポートレート特化

Sony FE 85mm F1.4 GM

  • 重量:820g
  • 開放F値:F1.4
  • 価格:約180,000円
  • 特徴:中望遠ポートレート、圧縮効果

総合比較分析:ズーム vs 単焦点の新構図

光学性能比較表

レンズ 開放F値 重量 価格 ボケ量
FE 24-70mm F2.8 GM II F2.8 695g 23万円 ★★★☆☆
FE 28-70mm F2 GM F2 918g 50万円 ★★★★☆
FE 35mm F1.8 F1.8 280g 6万円 ★★★★☆
FE 50mm F1.2 GM F1.2 778g 25万円 ★★★★★
FE 85mm F1.4 GM F1.4 820g 18万円 ★★★★★

実用性比較:機動性と表現力のバランス

機動性重視ランキング

  1. FE 35mm F1.8 – 280gの圧倒的軽量性
  2. FE 24-70mm F2.8 GM II – ズームの利便性と適度な重量
  3. FE 50mm F1.2 GM – 単焦点としては重い
  4. FE 85mm F1.4 GM – 中望遠の制約
  5. FE 28-70mm F2 GM – 重量とサイズの負担

表現力重視ランキング

  1. FE 50mm F1.2 GM – F1.2による圧倒的ボケ表現
  2. FE 85mm F1.4 GM – 中望遠圧縮効果+F1.4
  3. FE 28-70mm F2 GM – ズームでF2の画質
  4. FE 35mm F1.8 – バランス型高画質
  5. FE 24-70mm F2.8 GM II – 汎用性重視の画質

シチュエーション別最適解の完全版

子供たちの自然な表情
Pexelsより – 子供の自然な瞬間

室内・日常撮影

第1候補:FE 35mm F1.8

  • 優位点:軽量、明るい、自然な画角、高コスパ
  • 制約:焦点距離固定、近接撮影の距離調整必要

第2候補:FE 28-70mm F2 GM

  • 優位点:F2の明るさ、ズームの利便性、高画質
  • 制約:重量、価格、オーバースペック気味

ポートレート特化撮影

第1候補:FE 50mm F1.2 GM

  • 優位点:最高のボケ表現、標準画角での自然な距離感
  • 制約:重量、価格、焦点距離固定

第2候補:FE 85mm F1.4 GM

  • 優位点:中望遠圧縮効果、背景整理、F1.4の明るさ
  • 制約:撮影距離の制約、室内での使いづらさ

お出かけ・旅行撮影

第1候補:FE 24-70mm F2.8 GM II(現在の選択)

  • 優位点:焦点距離の幅、軽量性、レンズ交換不要
  • 制約:単焦点比での画質、F2.8の明るさ限界

第2候補:FE 35mm F1.8 + FE 85mm F1.4 GM(2本体制)

  • 優位点:各焦点距離での最高画質、明るさ
  • 制約:レンズ交換の手間、総重量、コスト

運動会・イベント撮影

第1候補:FE 28-70mm F2 GM

  • 優位点:F2の明るさ、ズーム利便性、高画質
  • 制約:重量、70mm望遠限界、価格

第2候補:FE 24-70mm F2.8 GM II

  • 優位点:軽量性、24mm広角対応、コスパ
  • 制約:F2.8の明るさ限界

単焦点 vs ズームの新たな判断基準

F2ズーム登場による影響分析

単焦点レンズの優位性が維持される領域:

  • F1.8~F1.2の超大口径:ズームでは実現困難な明るさ
  • 軽量性:特にFE 35mm F1.8の280gは別次元
  • コストパフォーマンス:FE 35mm F1.8の6万円は破格
  • 専門性:特定焦点距離での最高性能

ズームレンズの優位性が拡大された領域:

  • F2での高画質:単焦点F1.8に迫る明るさと画質
  • 撮影効率:レンズ交換不要の機動性
  • シーン対応力:一本での多様な撮影シーン対応
  • 失敗リスク軽減:焦点距離選択ミスの回避

投資戦略の体系化

FE 28-70mm F2 GM 作例
Sony FE 28-70mm F2 GM – Sony公式サイトより

予算別推奨構成

予算30万円以内:バランス重視構成

  • メイン:FE 24-70mm F2.8 GM II(23万円)
  • サブ:FE 35mm F1.8(6万円)
  • 総重量:975g
  • 特徴:汎用性と軽量性のバランス

予算50万円以内:画質重視構成

  • メイン:FE 28-70mm F2 GM(50万円)
  • 総重量:918g
  • 特徴:一本での高画質実現

予算70万円以内:特化型構成

  • メイン:FE 35mm F1.8(6万円)
  • ポートレート:FE 50mm F1.2 GM(25万円)
  • 中望遠:FE 85mm F1.4 GM(18万円)
  • ズーム:FE 24-70mm F2.8 GM II(23万円)
  • 総重量:2,573g(使用時は選択)
  • 特徴:あらゆるシーンでの最高画質

段階的導入戦略

ステップ1:現状分析期間(3ヶ月)

  • 現在のFE 24-70mm F2.8 GM IIでの撮影パターン詳細記録
  • 明るさ不足、焦点距離不足の発生頻度測定
  • 重量負担の実感度評価

ステップ2:優先順位決定期間(1ヶ月)

  • 画質 vs 機動性 vs コストの優先順位明確化
  • 最も不満の大きい要素の特定
  • 投資可能額の確定

ステップ3:実行期間

  • レンタルでの事前検証(重要な投資の場合)
  • 段階的購入(高額投資の場合)
  • 使用状況の継続モニタリング

最終推奨と判断フレームワーク

現在の状況における最適解

現状維持を推奨する条件(確率:60%)

  • 現在のFE 24-70mm F2.8 GM IIで大きな不満がない
  • 屋外撮影の比率が高い
  • コストパフォーマンスを重視
  • 機材の軽量性を重視

単焦点追加を推奨する条件(確率:25%)

  • 室内撮影が主体
  • 軽量性を最重視
  • 段階的な投資を希望
  • 特定用途での高画質を求める
  • 推奨:FE 35mm F1.8から開始

F2ズーム導入を推奨する条件(確率:15%)

  • 室内撮影が全体の70%以上
  • ボケ表現への強いこだわり
  • 予算制約が少ない
  • 重量増加を許容できる
  • 推奨:事前にレンタルでの検証必須

判断のためのチェックリスト

画質・表現面

  • □ 現在のF2.8で明るさ不足を感じる頻度は?
  • □ ボケ表現への不満度は?
  • □ 単焦点レンズ級の画質は必要か?

機動性面

  • □ 現在の695gで重量負担を感じるか?
  • □ レンズ交換の手間は許容できるか?
  • □ 24mm広角域の使用頻度は?

経済性面

  • □ 50万円の追加投資は適切か?
  • □ 段階的投資と一括投資どちらが良いか?
  • □ 投資対効果は十分に見込めるか?

最後に

F2通しズームレンズの登場により、子供撮影における機材選択は新たな次元に入りました。従来の「ズーム vs 単焦点」という二元論から、「用途特化 vs 汎用性」「画質 vs 機動性」「投資額 vs 性能向上」といったより複合的な判断が求められるようになっています。

重要なのは、技術的な仕様や他者の評価に惑わされることなく、自分自身の撮影スタイル、価値観、そして制約条件を正確に把握することです。最新の機材が常に最適解ではなく、現在の機材で十分に目的を達成できているなら、それが最良の選択肢と言えるでしょう。

一方で、明確な不満や制約がある場合は、今回の分析を参考に計画的な機材アップグレードを検討する価値があります。子供との貴重な時間を最高の形で記録するために、論理的かつ感情的にも納得できる選択をしていきたいと思います。

皆さんは、この新たな選択肢の登場をどう捉えますか?単焦点の魅力は色褪せないのか、それともF2ズームが新たなスタンダードになるのか。ぜひコメントで皆さんの考えをお聞かせください。

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