こんにちは、がおです。
今日は暑くて、なんだかビールが恋しい気分です。冷えたビールをグビっと飲むと、一日の疲れが吹き飛びそうですよね。
そんなビールについて考えていると、ふと疑問に思ったことがあります。ライトノベルや異世界ファンタジーでは、主人公が酒場で「エール」を注文する場面がよく出てきますよね。でも普段の生活では、エールといえばプレモルの香るエールや、クラフトビールの高級なやつくらいしか見かけません。

なぜラノベの世界ではエールが当たり前なのか、そもそもビールにはどんな種類があるのか、今日はそんな疑問を整理してみようと思います。
ビールの基本的な分類:エールとラガー
まず、ビールの基本的な分類から説明します。実は、世界のビールは大きく分けて2つのカテゴリーに分類されます。
エール(上面発酵)
エールは「上面発酵」という方法で作られるビールです。15℃~20℃という比較的高い温度で発酵させ、酵母が液体の表面に浮き上がることからこの名前がついています。発酵期間も短く、複雑な香りとコクのある味わいが特徴です。
ラガー(下面発酵)
一方、ラガーは「下面発酵」で作られます。5℃~10℃の低温でじっくりと発酵させ、酵母が底に沈んでいくのが特徴です。日本のビールのほとんどがこのラガー系で、すっきりとした喉越しとクリアな味わいが魅力です。

なぜラノベの世界ではエールなのか?
ここで本題の疑問に迫ってみましょう。なぜファンタジー作品の酒場では「エール」ばかり登場するのでしょうか。
歴史的背景
答えは歴史にあります。実は、19世紀にラガーが普及するまで、ビールといえばエールが主流でした。中世ヨーロッパでは、エールは水と並んで最も日常的に飲まれる飲み物だったのです。
当時は水の安全性が保証されていなかったため、アルコール度数の低いエールが水の代わりとして重宝されました。修道院でも上質なエールが醸造され、庶民から貴族まで幅広く愛飲されていました。
技術的な理由
中世の技術では、低温での長期発酵が必要なラガーを作ることは困難でした。上面発酵のエールは常温で短期間で醸造できるため、当時の技術レベルでも安定して製造できたのです。
つまり、ファンタジー作品の多くが中世ヨーロッパをモチーフにしているため、当時の標準的な飲み物であったエールが登場するのは自然な流れなのです。
エールの種類を知ろう
エールと一口に言っても、実は様々な種類があります。主要なものを整理してみましょう。

ペールエール
淡色麦芽を使用した、比較的色の薄いエールです。ホップの苦味と麦芽の甘みのバランスが良く、エール入門には最適です。アルコール度数は4.4~5.4%程度です。
IPA(インディア・ペールエール)
現在クラフトビール界で最も人気の高いスタイルです。もともとはイギリスからインドの植民地に運ぶ際の防腐効果を狙って、大量のホップを使用したビールでした。強い苦味と華やかなホップの香りが特徴です。
スタウト・ポーター
焙煎した麦芽を使用した、色の濃いエールです。ギネスビールが有名ですね。コーヒーやチョコレートのような香ばしい味わいが特徴で、濃厚なコクがあります。
ブラウンエール
ナッツのような香ばしさと、まろやかな口当たりが特徴のエールです。ホップの苦味は控えめで、麦芽の甘みが前面に出た飲みやすいスタイルです。
日本でエールを楽しむには
「エールを飲んでみたいけど、高いクラフトビールしかないじゃない」と思う方も多いでしょう。確かに、大手メーカーの主力商品はほとんどがラガー系です。
しかし、実はサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ 香るエール」のように、大手メーカーも美味しいエールを作っています。また、最近は各地の地ビールメーカーが様々なエールを醸造しており、以前より手軽に楽しめるようになりました。
コンビニでも置いているお店が増えているので、見かけたらぜひ試してみてください。ラガーとは違った、フルーティーで複雑な味わいを楽しめると思います。
まとめ:ビールの奥深い世界
今回調べてみて、ビールの世界の奥深さを改めて感じました。普段何気なく飲んでいるビールにも、長い歴史と多様な文化が詰まっているんですね。
ラノベに登場するエールが、実は千年以上の歴史を持つ伝統的な飲み物だったとは驚きでした。作者の方々も、きっとそうした背景を理解した上で「エール」という言葉を選んでいるのでしょう。
次回酒場のシーンを読むときは、きっと違った味わいを感じられそうです。
今度の休日は、クラフトビールを飲み比べしながら、お気に入りのファンタジー小説を読み返してみようかと思います。きっと、より深く物語の世界に没入できそうですね。
皆さんも、ぜひ一度エールを試してみてください。新しいビールの楽しみ方が見つかるかもしれませんよ。
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